「アメリカ文学の静かな巨人」と言われる作家、リディア・デイヴィス。彼女の作品の特徴は、登場人物の「私」や作者の「私」など複数の「私」を感じることで、それがいつの間にか読んでいる「私」にも伝染し、「私」とは誰か、物語を書いているのは誰か、読んでいるのは誰か、そもそも世界とは何なのかと、常に流動する思考に巻き込まれることだと思います。
そこで今回は、翻訳者の岸本佐知子さんの朗読と、シンガーソングライター・annie the clumsyさんの音楽と朗読のセッションによって、静かな巨人の物語を紙から解き放ち、いまここで起こっている物語として、お客さんと一緒に体験できたらと思っています。
『分解する』『話の終わり』『サミュエル・ジョンソンが怒っている』・・・
リディア・デイヴィスをセッションすることで、彼女が考えていることをリアルタイムで自分が考えているような気持ちになれたら。
リディア・デイヴィス(Lydia Davis)
1947年マサチューセッツ州生まれ。著書に『分解する』(1986)、『話の終わり』(1995)、『ほとんど記憶のない女』(1997)、『サミュエル・ジョンソンが怒っている』(2001)、Can’t and Won’t(2014)他。マッカーサー賞、ラナン文学賞などを受賞したほか、短編集Varieties of Disturbance(2007)で全米図書賞にノミネートされる。2014年には国際ブッカー賞を受賞した。フランス文学の翻訳家としても知られ、ミシェル・ビュトール、モーリス・ブランショ、ミシェル・レリスなどの翻訳に加え、マルセル・プルースト『スワン家の方へ』の新訳を手がけた功績により、2003年にフランス政府から芸術文化勲章シュヴァリエを授与された。ニューヨーク州在住。
岸本佐知子(きしもと・さちこ)
1960年生まれ。上智大学文学部英文科卒業。訳書にL・デイヴィス『話の終わり』、『サミュエル・ジョンソンが怒っている』、『分解する』(以上作品社)、『ほとんど記憶のない女』(白水Uブックス)、M・ジュライ『いちばんここに似合う人』、『あなたを選んでくれるもの』(以上新潮社)、N・ベイカー『中二階』、J・ウィンターソン『灯台守の話』(以上白水Uブックス)、T・ジョーンズ『拳闘士の休息』(河出文庫)、J・バドニッツ『元気で大きいアメリカの赤ちゃん』(文藝春秋)他多数。編訳書に『楽しい夜』(講談社)、『変愛小説集』(講談社文庫)他。著書に『気になる部分』(白水Uブックス)、『ねにもつタイプ』、『なんらかの事情』(以上ちくま文庫)がある。
annie the clumsy(アニー・ザ・クラムジー)
Flight of the Conchordsに影響を受け、宅録で音楽制作を始める。2ndアルバム『Inside Her Fancy Brain』から1年。王舟のツアー・サポートに参加し、全米で大人気のアニメ「アドベンチャー・タイム」のイベント出演やボルボやスタジオクリップなどのCM楽曲を手がけ、更にはミスiDにエントリーし、山崎まどか賞を見事受賞するなど益々活躍の場を広げる。
企画:熊谷充紘(ignition gallery)
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2017/04/15 Sat -
岸本佐知子×annie the clumsy
「リディア・デイヴィスをセッションする」
- 09/28 Thu やついいちろう×トミヤマユキコ
「宮沢章夫を思う脱力の夜」
『きょうはそういう感じじゃない』(河出書房新社)刊行記念 - 09/29 Fri 池田稔×黒川文雄
「ゲーセン、ビデオゲームの灯をともせ」
『ゲーセン戦記』(中央公論新社)
『ビデオゲームの語り部たち 日本のゲーム産業を支えたクリエイターの創造と挑戦』(DU BOOKS)W刊行記念 - 10/01 Sun 青木由弥子×水島英己
「野のうへは なほ光ありしや―戦時下の“抒情”を考える」
『伊東静雄―戦時下の抒情』(土曜美術社出版販売)刊行記念対談 - 10/02 Mon 大島依提亜×木村和平
「『アンダーカレント』の世界観」
映画『アンダーカレント』公開記念 - 10/03 Tue 橋口幸生×田中泰延
「健康に良い言葉、悪い言葉とは?」
『言葉ダイエット』(宣伝会議)5刷記念 - 10/05 Thu 信田さよ子×武田砂鉄
「なかったことにするもんか会議」
『家族と厄災』(生きのびるブックス)
『なんかいやな感じ』(講談社)W刊行記念 - 10/06 Fri うえはらけいた×藤井亮
「“ゾワワ”の神様の正体を藤井さんと考える」
『ゾワワの神様』(祥伝社)刊行記念 - 10/07 Sat 今野晴貴×奥貫妃文×竹信三恵子
「コロナ禍は誰を直撃したのか?
──女性・ケアワーカー・非正規労働者」
『生きのびるための社会保障入門』(堀之内出版)
『女性不況サバイバル』(岩波書店)W刊行記念 - 10/08 Sun 大塚篤司×幡野広志
「医師と患者の新しい関係」
『皮膚科医の病気をめぐる冒険』(新興医学出版社)刊行記念 - 10/09 Mon 川上康則×風間暁
「「生きたい、行きたい」と思える学校にするために」
『不適切な関わりを予防する 教室「安全基地」化計画』
(東洋館出版社)刊行記念イベント - 10/11 Wed 柴崎祐二×伏見瞬×パンス
「新しいムーブメントは、リバイバルとともに生まれる」
『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす』(イースト・プレス)刊行記念 - 10/12 Thu 川野芽生×高田怜央
「文学はつねにすでに翻訳である」
『奇病庭園』(文藝春秋)
『SAPERE ROMANTIKA』(paper company)W刊行記念 - 10/13 Fri 村井理子×酒井順子
「母には振り回されてきたけれど~娘から見た昭和を生きた母親たち」
『実母と義母』(集英社)刊行記念 - 10/14 Sat 岡本仁×オオヤミノル×堀部篤史
「コーヒーブレイクのディスクール」
『ぼくのコーヒー地図』(平凡社)刊行記念 - 10/14 Sat 御代田太一×村上靖彦
「救護施設からのぞく社会」
『よるべない100人のそばに居る。』(河出書房新社)刊行記念 - 10/15 Sun 博報堂生活総合研究所×谷川嘉浩×原カントくん
「“消齢化”社会ってなんだ!?年齢に関係なく価値観でつながる時代を生きる」
『消齢化社会 年齢による違いが消えていく! 生き方、社会、ビジネスの未来予測』(集英社インターナショナル)
刊行記念 - 10/17 Tue 村上由鶴×長島有里枝
「日常の違和感から始まる」
『アートとフェミニズムは誰のもの?』(光文社)刊行記念 - 10/18 Wed 鈴木俊貴×水野太貴
「動物言語学とは何か?」
『動物たちは何をしゃべっているのか?』(集英社)刊行記念 - 10/20 Fri 高木瑞穂×大泉りか
「異なる視点であぶりだす、“立ちんぼ”と“ホス狂い”の深い闇」
『ルポ 新宿歌舞伎町 路上売春』(鉄人社)刊行記念 - 10/21 Sat 横道誠×頭木弘樹
「マコトクアドラプルの2DAYS〜旅・民話・地域編〜」
『グリム兄弟とその学問的後継者たち―神話に魂を奪われて』(ミネルヴァ書房)
『解離と嗜癖──孤独な文学研究者の日本紀行』(教育評論社)刊行記念 - 10/22 Sun 横道誠×小川公代
「マコトクアドラプルの2DAYS〜当事者・ケア・世界文学編〜」
『発達障害の子の勉強・学校・心のケア――当事者の私がいま伝えたいこと』(大和書房)
『村上春樹研究──サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学』(文学通信)
『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版)刊行記念 - 10/26 Thu 渡名喜庸哲×西谷修
「フーコー、ドゥルーズ、デリダ以後を読む——変容する『いま』を哲学するということ」
『現代フランス哲学』(筑摩書房)刊行記念 - 10/31 Tue スケザネ×山下紘加
「本の扉をあけて 山下紘加と語る読書の喜び」
『煩悩』(河出書房新社)刊行記念 - 11/01 Wed 羽生有希×中村香住×深海菊絵×松浦優
「フツーの恋愛、性愛ってなに?」
『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』(左右社)刊行記念 - 11/19 Sun 伊藤桃×がみ
「てっけん!第4回」 - 11/29 Wed 加藤優一×御手洗龍×山道拓人×飯石藍
「銭湯と建築がひらく、都市の公共性」
『銭湯から広げるまちづくり
小杉湯に学ぶ場と人のつなぎ方』(学芸出版社)刊行記念