「障害者は不幸を生み出すだけ。生きている価値がない」という優生思想に基づいて、19名の障害者のいのちを無惨に奪い、27名の心と体に深い傷を負わせ、社会に大きな衝撃を与えた相模原津久井やまゆり園事件。
そのほぼ半世紀前に、「障害者は殺されても仕方のない存在なのか」と健全者社会との絶望的な闘いを展開した横田弘さんのことばを丁寧に掘り起こし、ポスト相模原事件を生き抜く拠り所として甦らせたのが、荒井裕樹さんの『差別されてる自覚はあるか』です。
本イベントでは、相模原事件を横軸に、横田さんが起草した「行動綱領」を縦軸に、出生前診断で障害がみつかったら産むのか中絶するのか、病気や障害で自力呼吸ができなくなった場合、人工呼吸器をつけるのかつけないのかなど、私たち一人ひとりがいのちの線引きに立ち会わされるところに来ている今日的状況を、『逝かない身体』の著者・川口有美子さんと共に語っていただき、いのちの線引きに〈抗うことば〉を探ります。
【出演者プロフィール】
荒井裕樹(あらい・ゆうき)
二松學舎大学講師。1980年、東京都生まれ。 2009年、東京大学大学院人文社会系研究科修了。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員、東京大学大学院人文社会系研究科付属次世代人文学開発センター特任研究員を経て、現在、二松學舍大学文学部専任講師。 専門は障害者文化論・日本近現代文学。 著書に『障害と文学──「しののめ」から「青い芝の会」へ』『差別されてる自覚はあるか――横田弘と青い芝の会「行動綱領」』(以上、現代書館)、『隔離の文学──ハンセン病療養所の自己表現史』(書肆アルス)、『生きていく絵──アートが人を〈癒す〉とき』(亜紀書房)がある。
川口有美子(かわぐち・ゆみこ)
ALS/MNDサポートセンターさくら会 副理事長 。1995年、母がALSを発症し、家族で看取るまで11年間、不断の在宅介護を経験。2003年、ケアサポートモモを設立し、24時間365日、ALS等へヘルパーを派遣。2004年、介護職員による喀痰吸引の拡充を目指し、NPO法人ALS/MNDサポートセンターさくら会をALS当事者の橋本操と設立。2006年、日本ALS協会理事就任。2007年、ALS/MND国際同盟会議理事就任。2010年、呼吸器装着の意思決定をめぐる家族の葛藤をつづった『逝かない身体』で第41回大宅壮一ノンフィクション賞受賞。2013年、立命館大学大学院先端総合学術研究科博士課程修了。2014年、博士論文(改稿)「生存の技法ALSの人工呼吸療法をめぐる葛藤」で河上肇賞奨励賞受賞。座右の銘「どうにかなるさ」。
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2017/05/12 Fri -
荒井裕樹×川口有美子
「相模原障害者施設殺傷事件から、いのちの始まり〜終わりを考える」
『差別されてる自覚はあるか――横田弘と青い芝の会「行動綱領」』(現代書館)刊行記念
- 04/03 Thu 木村祥一郎×藤原隆充
「遠まわりをした老舗家業の働き方」
『ちいさな会社のおおらかな経営』(主婦の友社)刊行記念 - 04/04 Fri 北村浩子×マライ・メントライン
「“日本語は難しい”と日本人は言うけれど? 」
『日本語教師、外国人に日本語を学ぶ』(小学館)刊行記念 - 04/05 Sat 清田隆之×大島育宙「正しさの一歩外で考える、「俺たち」と「恋愛」の現在地」『戻れないけど、生きるのだ 男らしさのゆくえ』(太田出版)刊行記念
- 04/06 Sun 栗田隆子×武田砂鉄「「働けない人」と「働けた人」で考える──わたしたちの社会と労働のいびつな関係」『「働けない」をとことん考えてみた。』(平凡社)刊行記念
- 04/07 Mon 藤原ヒロシ×皆川壮一郎×嶋浩一郎
「無駄と余白と奥行きと」 - 04/09 Wed 藤澤ゆき×石田真澄×野村由芽
「手を動かしながら生きていく」
『わたしを編む つくる力を、手のうちに YUKI FUJISAWA制作日記』刊行記念 - 04/10 Thu 藤津亮太×前島賢
「頼まれなくたって、語ってやる!」
『富野由悠季論』(筑摩書房)刊行記念 - 04/11 Fri 宮崎晃吉×川口瞬×内沼晋太郎
「これからの小さな出版と、本の届け方」
『最小文化複合施設』(HAGISO)出版記念 - 04/12 Sat きださおり× 明円卓 × 藤井颯太郎
「What shall we do here? この場所で何するナイト」 - 04/13 Sun 安達茉莉子×長島有里枝
「リアルライフでフェミニズムを生きるわたしたち」
『あなたのフェミはどこから?』(平凡社)刊行記念 - 04/15 Tue 西寺郷太×高橋芳朗「J-POP丸語り」『J-POP丸かじり』(ソウ・スウィート・パブリッシング)刊行記念
- 04/17 Thu ゲッツ板谷×新保信長×原カントくん
「自分のことってどう書けばいいのか? 」
『ともだち』(徳間書店)刊行記念 - 04/18 Fri 土佐有明×石川浩司×蔦木俊二
「イカ天とバンドを続けることとあの頃の話」
『イカ天とバンドブーム論』(DU BOOKS)刊行記念 - 04/20 Sun フィクショネス 文学の教室
『金閣寺』『美しい星』を
3ヶ月かけてじっくりと読む - 04/20 Sun 金川晋吾×柴崎友香×小田原のどか
「80年目、爆心地・長崎の写真と言葉」
『祈り/長崎』(書肆九十九)刊行記念 - 04/21 Mon 甲谷 一×佐藤浩二
「プロデザイナーが考える
“ロゴデザイン”のちょっと深い裏話」
『カンタンでちょっぴり深いロゴづくり』
(エムディエヌコーポレーション)刊行記念 - 04/23 Wed 鈴木涼美×紗倉まな×原カントくん
「動物になりきれない、愛しい人間たちの“欲望”」
『ノー・アニマルズ』(ホーム社)刊行記念 - 04/25 Fri とれたてクラブ×ゆっきゅん×潟見陽「こういう物語をずっと待ってた」『なかよしビッチ生活』(エトセトラブックス)刊行記念
- 04/26 Sat 少年アヤ×なま×野口理恵
「なにでもないわたしでいられますように」
『わたくしがYES』『USO 6』『生きる力が湧いてくる』トリプル刊行記念 - 04/30 Wed 古舘佑太郎×又吉直樹
「旅と文」
『カトマンズに飛ばされて 旅嫌いな僕のアジア10カ国激闘日記』(幻冬舎)刊行記念 - 05/18 Sun ひうらさとる×小川奈緒
「50代からの軽やかな”旅”と”伝え方”」
『58歳、旅の湯かげん いいかげん』
『伝え上手になりたい』(扶桑社)W刊行記念