日本の神話を旅する写真家・赤阪友昭さんが開催しているあ。わ。の月プロジェクトのお話し会。
今回は、毎年恒例になりつつある日本の伝統芸能「神楽」をテーマにしたお話し会です。
お話のメインとなるのは、国の重要無形民俗文化財に指定されている宮崎の山奥深くに残る伝統芸能「銀鏡(しろみ)神楽」です。
※このお話し会のフィールドワーク編として、12月には銀鏡神楽を実際に見に行くツアーも企画しています。
https://www.facebook.com/awanotsuki
お話し会では、神楽の基礎や銀鏡神楽の特徴など写真や音でご紹介しながら、日本に残る古(いにしえ)の記憶を知っていただきます。自然や土地とつながる神楽を知ることで、私たちが普段忘れていた感覚が呼び覚まされるかもしれません。また、星を巡る信仰には、古代の日本だけではなく遠くエジプトや古代イスラエルと繋がる智慧が隠されています。
当日は料理研究家のマツーラユタカさんによる星をテーマにした軽食をお楽しみいただく予定です。
また、お話し会にあわせて赤阪さんより神楽をわかりやすく知るためにお作りいただいたテキスト冊子(1000円)を当日販売いたします。こちらをお手元に置いていただくとより理解が深まりますので、ぜひお買い求めください。
以下、赤阪さんよりいただいたお話し会の導入です。
ぜひご一読ください。
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九州の奥山深くに残された集落、宮崎県西都市銀鏡。毎年12月になると、銀鏡神社では古代より連綿と受け継がれて来た伝統芸能「銀鏡神楽」が舞われています。銀鏡神楽は、宮崎県内の神楽で初めて国の重要無形民俗文化財(登録名は「米良神楽」)に指定されており、高千穂神楽や椎葉神楽などとともに宮崎県を代表する神楽の一つに数えられています。
銀鏡神楽の特徴は、星の神に祈りを捧げるところにあります。例えば、祭礼期間中の13日の夕刻には式一番「星の舞」が舞われます。この舞により銀鏡の地主神である「宿神」が降臨するといいます。「宿神」の出現を受けて、翌14日の夜8時頃から15日の昼過ぎまで、全部で三十三番の舞を奉納するのです。かつて、古代の人々は目の前に立ち現れる自然の現象を祈りの対象としてきました。それはある意味、過去から現在までの世界を観ることでした。しかし、「星」という遥か遠くに見るべきものを手に入れた人々は「未来」という時間軸を手に入れます。それは暦をはじめとして未来を予測する占星術へと発展していくことになります。厳しい自然の中で生きて来た私たちの祖先にとって、星は命を繋ぐことへの視座と希望を与えてくれたのかもしれません。そんな古代の祈りを継承してきた伝統のひとつがこの銀鏡神楽なのです。
いまや、町に暮らす私たちの空からは星が見えなくなってしまいました。でも、たとえ見えなくとも私たちの頭の上には満天に星々が輝いているのです。そして、私たちの命の行途を司るのは、実はそんな星たちなのかもしれません。銀鏡神楽では夜を徹して、満天の星空の下で星への祈り捧げます。そんな時間と空間を知ることで、私たちの古代の記憶が目を覚ますかもしれません。
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どなたでもご参加いただけますので、ツアーには興味があるけど行けない!という方も、ぜひご参加ください。
【プロフィール】
・赤阪友昭
1963年大阪生まれ。写真家。雑誌「Switch」や「Coyote」などに写真・文を寄稿。北米海岸の先住民族と過ごした時間を一冊にまとめた写真集『The Myth – 神話の風景から – 』がある。現在は、山に残された原初の信仰や縄文文化の祭祀儀礼を取材し、定期的に東京及び各地にてスライド&トークなど精力的に講演を開催している。震災後は、福島の支援プロジェクトに関わり、被災地のランドスケープの記録撮影を続けている。
http://www.akasakatomoaki.net
・あ。わ。の月プロジェクト
月をキーワードとして、森羅万象の世界へ足を踏み入れようというプロジェクトです。
「あ」は「はじまり」、「わ」は「おわり」のこと。「月」を知ることは命の「はじまり」と「おわり」と「はじまり」を知ることです。隔月新月の夜に、お話と写真と音楽でお届けする会を開催しています。
http://www.mahinapharmacy.com/awanotsuki.html
・協力:マツーラユタカ(料理料理家/つむぎや)
物書き料理家。金子健一ともにフードユニット「つむぎや」として活動する。雑誌や書籍などで創作和食を提案。また生産者や陶芸家とコラボレーションを積極的に行い、地元である山形県鶴岡市など、ご縁ができた土地の風を運ぶ活動にも力を入れている。つむぎやとして「和食つまみ100」「あっぱれ!おにぎり」など著書多数。個人ではライター稼業も。雑誌「Discover Japan」では連載「ソウルフードトラベラー」を執筆中。
<予告>
あ。わ。の月プロジェクト主催
フィールドワーク・ツアー「星の舞、銀鏡神楽を見に行く!」
12月13日(水)~ 16日(土)@ 宮崎県西都市銀鏡
イベントのご予約はこちらから!
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2017/11/01 Wed -
赤阪友昭
「基礎から学ぶ伝統芸能「神楽」
~星の神・宿神に祈る舞 銀鏡神楽~」
- 02/02 Thu 西田亮介×丹羽充×谷憲一
「『監査文化の人類学』をどう読むか」
『監査文化の人類学』(水声社)刊行記念 - 02/03 Fri 朝日順子×藤本国彦
「ビートルズはインドで何と出会ったのか?」
『インドとビートルズ』(青土社)刊行記念 - 02/04 Sat 高島鈴
「一人称からはじめる蜂起」読書会/第2回
『布団の中から蜂起せよ』(人文書院)刊行記念 - 02/06 Mon 高野光太郎×篠原かをり
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「杉山恒太郎、広告ビジネスの現在、過去、未来を語る」
『広告の仕事』(光文社)『世界を変えたブランド広告』(日経BP)W刊行記念 - 02/09 Thu 妹尾昌俊×工藤祥子×堀潤
「先生を、死なせない。——教育現場の過労死等を防ぐために」
『先生を、死なせない。』(教育開発研究所)刊行記念 - 02/10 Fri 髭男爵ひぐち君×萩原弘基×栁佐織
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「臨時営業『鈴木涼美のBISTRO LOVIN’』リターンズ」
『グレイスレス』
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「「朔太郎と歩く」詩と歌の夕べ」
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『ふたりのアフタースクール〜ZINEを作って届けて、楽しく巻き込む』(双子のライオン堂)刊行記念 - 02/17 Fri 庄子寛之×西岡壱誠
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『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』
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「「父/母ではない」立場から書くということ」
『父ではありませんが 第三者として考える』
(集英社)刊行記念 - 03/01 Wed 岸本佐知子×柴崎友香×辻本力
「雑談の続き」
『失われた“雑談”を求めて』(タバブックス)刊行記念