現代詩手帖賞受賞の詩人・福田拓也さんの最新詩集『惑星のハウスダスト』が3月に刊行されました。
一見、詩なのか小説なのか散文詩なのかよくわからない、ゴチャゴチャした文字の羅列……。しかし執念深く読み進めていくと、文字の羅列の中に言葉の蠢きが現れ、畳み掛けてくるリズムが感じられ、意味がグルーヴし、ストーリーのようなものが見え隠れし……そうこうしているうちに読者は、『惑星のハウスダスト』の〈読みのモード〉に完全に頭を支配されていることに気づくでしょう。
そんな驚くべき読書体験をもたらす同書の刊行を記念してトークイベントを開催します。
お相手は、短編「こことよそ」(「新潮」2017年6月号)で川端康成賞を受賞されたばかりの保坂和志さん。保坂さんは『惑星のハウスダスト』を、「カフカの文章をカフカがカフカと知られる前に、はじめて読んだ人のように読むのがいい」と絶賛されました。(また福田さんは、好評を博した『三田文学』保坂和志特集号の仕掛人でもあります)
『惑星のハウスダスト』の融通無碍に疾走する文体は、保坂さんが探求し続けている〈小説の自由〉に大きなヒントをもたらすかもしれません。カフカやベケット、小島信夫の文学のあり方も考えながら、小説や詩にとっての本当の〈自由〉とは何かを探る試みです。すべての書き手・作り手注目の対話をお聴き逃しなく!
福田拓也(ふくだ・たくや)
詩人、文芸評論家、東洋大学教授(20世紀フランス詩)。前『三田文学』編集長(2016春季号~2017年冬季号)。1994年、現代詩手帖賞を受賞。詩集に『砂地』『砂の歌』『まだ言葉のない朝』『倭人伝断片』、評論に『尾形亀之助の詩』『小林秀雄 骨と死骸の歌』『「日本」の起源』『エリュアールの自動記述』などがある。
保坂和志(ほさか・かずし)
小説家。1990年『プレーンソング』でデビュー。93年『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年『この人の閾』で芥川賞、97年 『季節の記憶』で谷崎賞、平林たい子文学賞、2013年『未明の闘争』で野間文芸賞を受賞。その他の著書に『カンバセーション・ピース』『書きあぐねている人のための小説入門』『小説の自由』『カフカ式練習帳』『地鳴き、小鳥みたいな』など多数。2018年、「こことよそ」で川端康成賞を受賞。
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※5月よりドリンク代のみ当日払いとなりました
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2018/05/26 Sat -
福田拓也×保坂和志
「詩を前にして、小説はどこまで自由なのか?」
『惑星のハウスダスト』(水声社)刊行記念
- 10/01 Sun 青木由弥子×水島英己
「野のうへは なほ光ありしや―戦時下の“抒情”を考える」
『伊東静雄―戦時下の抒情』(土曜美術社出版販売)刊行記念対談 - 10/02 Mon 大島依提亜×木村和平
「『アンダーカレント』の世界観」
映画『アンダーカレント』公開記念 - 10/03 Tue 橋口幸生×田中泰延
「健康に良い言葉、悪い言葉とは?」
『言葉ダイエット』(宣伝会議)5刷記念 - 10/05 Thu 信田さよ子×武田砂鉄
「なかったことにするもんか会議」
『家族と厄災』(生きのびるブックス)
『なんかいやな感じ』(講談社)W刊行記念 - 10/06 Fri うえはらけいた×藤井亮
「“ゾワワ”の神様の正体を藤井さんと考える」
『ゾワワの神様』(祥伝社)刊行記念 - 10/07 Sat 今野晴貴×奥貫妃文×竹信三恵子
「コロナ禍は誰を直撃したのか?
──女性・ケアワーカー・非正規労働者」
『生きのびるための社会保障入門』(堀之内出版)
『女性不況サバイバル』(岩波書店)W刊行記念 - 10/08 Sun 大塚篤司×幡野広志
「医師と患者の新しい関係」
『皮膚科医の病気をめぐる冒険』(新興医学出版社)刊行記念 - 10/09 Mon 川上康則×風間暁
「「生きたい、行きたい」と思える学校にするために」
『不適切な関わりを予防する 教室「安全基地」化計画』
(東洋館出版社)刊行記念イベント - 10/11 Wed 柴崎祐二×伏見瞬×パンス
「新しいムーブメントは、リバイバルとともに生まれる」
『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす』(イースト・プレス)刊行記念 - 10/12 Thu 川野芽生×高田怜央
「文学はつねにすでに翻訳である」
『奇病庭園』(文藝春秋)
『SAPERE ROMANTIKA』(paper company)W刊行記念 - 10/13 Fri 村井理子×酒井順子
「母には振り回されてきたけれど~娘から見た昭和を生きた母親たち」
『実母と義母』(集英社)刊行記念 - 10/14 Sat 岡本仁×オオヤミノル×堀部篤史
「コーヒーブレイクのディスクール」
『ぼくのコーヒー地図』(平凡社)刊行記念 - 10/14 Sat 御代田太一×村上靖彦
「救護施設からのぞく社会」
『よるべない100人のそばに居る。』(河出書房新社)刊行記念 - 10/15 Sun 博報堂生活総合研究所×谷川嘉浩×原カントくん
「“消齢化”社会ってなんだ!?年齢に関係なく価値観でつながる時代を生きる」
『消齢化社会 年齢による違いが消えていく! 生き方、社会、ビジネスの未来予測』(集英社インターナショナル)
刊行記念 - 10/17 Tue 村上由鶴×長島有里枝
「日常の違和感から始まる」
『アートとフェミニズムは誰のもの?』(光文社)刊行記念 - 10/18 Wed 鈴木俊貴×水野太貴
「動物言語学とは何か?」
『動物たちは何をしゃべっているのか?』(集英社)刊行記念 - 10/20 Fri 高木瑞穂×大泉りか
「異なる視点であぶりだす、“立ちんぼ”と“ホス狂い”の深い闇」
『ルポ 新宿歌舞伎町 路上売春』(鉄人社)刊行記念 - 10/21 Sat 横道誠×頭木弘樹
「マコトクアドラプルの2DAYS〜旅・民話・地域編〜」
『グリム兄弟とその学問的後継者たち―神話に魂を奪われて』(ミネルヴァ書房)
『解離と嗜癖──孤独な文学研究者の日本紀行』(教育評論社)刊行記念 - 10/22 Sun 横道誠×小川公代
「マコトクアドラプルの2DAYS〜当事者・ケア・世界文学編〜」
『発達障害の子の勉強・学校・心のケア――当事者の私がいま伝えたいこと』(大和書房)
『村上春樹研究──サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学』(文学通信)
『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版)刊行記念 - 10/26 Thu 渡名喜庸哲×西谷修
「フーコー、ドゥルーズ、デリダ以後を読む——変容する『いま』を哲学するということ」
『現代フランス哲学』(筑摩書房)刊行記念 - 10/28 Sat 和田靜香×小泉今日子
「これから、ひとりでどう暮らそう?」
『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』(左右社)刊行記念 - 10/31 Tue スケザネ×山下紘加
「本の扉をあけて 山下紘加と語る読書の喜び」
『煩悩』(河出書房新社)刊行記念 - 11/01 Wed 羽生有希×中村香住×深海菊絵×松浦優
「フツーの恋愛、性愛ってなに?」
『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』(左右社)刊行記念 - 11/19 Sun 伊藤桃×がみ
「てっけん!第4回」 - 11/29 Wed 加藤優一×御手洗龍×山道拓人×飯石藍
「銭湯と建築がひらく、都市の公共性」
『銭湯から広げるまちづくり
小杉湯に学ぶ場と人のつなぎ方』(学芸出版社)刊行記念