7月、吉川浩満さんの新刊『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』が刊行されました。発展をつづける認知と進化にかんするサイエンスとテクノロジーがもたらす人間観の変容についての中間報告書です。人工知能、ゲノム編集、ナッジ、認知バイアス、人新世、利己的遺伝子……我々はどこへ行こうとしているのでしょうか?
著者の吉川さんは、人間の情動(と理性の関係)、偶然性(と運命の関係)に着目することが大事だと考えています。認知科学の展開は、我々の思考や行動に情動が大きな役割をはたすことを実証してきました。また、ヒトもまたその一員であるところの生物の進化は、偶然の積み重ねが運命のごとき轍となるような仕方で進んでいくからです。
そこでゲストにお呼びしたのが、山本貴光さんと荒木優太さんのおふたりです。山本さんは近著『文学問題(F+f)+』において、文学をF(認識、理性)とf(情緒、情動)の組み合わせと考えた夏目漱石の『文学論』を現代によみがえらせました。また、荒木さんは『仮説的偶然文学論』において、日本近代文学にあらわれた偶然性という主題の諸相を見事に析出しています。おふたり以上にふさわしいゲストがいるでしょうか(いや、いないでしょう!)。
今回のイベントでは、偶然と運命、情動と理性、文学と科学という複眼的な視点から、我々の本性と運命について存分に語り合っていただきます。
ぜひご参加ください!
【登壇者プロフィール】
荒木優太(あらき・ゆうた)
1987年生まれ。在野研究者。専門は有島武郎。明治大学文学部文学科日本文学専攻博士前期課程修了。ウェブを中心に大学の外での研究活動を展開している。2015年、「反偶然の共生空間――愛と正義のジョン・ロールズ」が第59回群像新人評論賞優秀作となる。著書に『仮説的偶然文学論――〈触れ‑合うこと〉の主題系』(月曜社)、『貧しい出版者――政治と文学と紙の屑』(フィルムアート社)、『これからのエリック・ホッファーのために――在野研究者の生と心得』(東京書籍)など。
山本貴光(やまもと・たかみつ)
文筆家・ゲーム作家。コーエーでゲーム制作の後、フリーランスで書いたり教えたりしている。著書に『文学問題(F+f)+』(幻戯書房)、『「百学連環」を読む』(三省堂)、『文体の科学』(新潮社)、『世界が変わるプログラム入門』(ちくまプリマー新書)、訳書にサレン&ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』(ソフトバンククリエイティブ)など。モブキャストとプロ契約中。
吉川浩満(よしかわ・ひろみつ)
文筆業。慶応義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、現職。著書に『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(河出書房新社)、『理不尽な進化』(朝日出版社)、『脳がわかれば心がわかるか』(山本貴光との共著、太田出版)など。訳書にメアリー・セットガスト 『先史学者プラトン』(山本貴光との共訳、朝日出版社)など。
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2018/09/22 Sat -
吉川浩満×荒木優太×山本貴光
「人間問題(F+f)+、
あるいは科学・文学・人間の運命」
『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』(河出書房新社)刊行記念
- 08/18 Mon 青山美智子×新井見枝香
「スイート&ビター。だから人生は美味」
『チョコレート・ピース』(マガジンハウス)刊行記念 - 08/19 Tue 石田健×神野藍
「キャラクターとして生きる」
『カウンターエリート』(文藝春秋)
『私をほどく AV女優「渡辺まお」回顧録』(ベストセラーズ)W刊行記念 - 08/21 Thu 佐藤良明×毛利嘉孝
「ロック音楽と資本主義の精神」
『定本 ラバーソウルの弾みかた』(岩波書店)刊行記念 - 08/22 Fri 徳谷柿次郎×木下斉×日野昌暢
「都市をrenewする! ~みんなでつくる、未来の街」
『都市と路上の再編集 LIVE NOW DEVELOPMENT』(風旅出版)刊行記念 - 08/23 Sat 西谷格×安田峰俊
「潜入ライター、“AI監視”ウイグルに迷い込む」
『一九八四+四〇 ウイグル潜行』(小学館)刊行記念 - 08/24 Sun 楊双子×リン・キン×三浦裕子
「台湾文学は、 世界でいかに翻訳されるのか」
『台湾漫遊鉄道のふたり』(中央公論新社)全米図書賞翻訳賞&日本翻訳大賞受賞記念トーク - 08/25 Mon 飯間浩明×鈴木忠平×銀シャリ橋本直 ×田辺智加(ぼる塾)×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」(BSよしもと)
第14回公開収録 - 08/27 Wed むらかみなぎさ×明智マヤ
『柔らかい縁』リリース記念イベント - 08/28 Thu フウ×稲垣えみ子
「とりあえず行って住んでみた 〜ヨルダンとフランスで生活体験」
『ヨルダンの本屋に住んでみた』(産業編集センター)刊行記念 - 08/30 Sat 石井健介×濱田祐太郎
「ふたりが見てきた景色について。」
『見えない世界で見えてきたこと』(光文社)&
『迷ったら笑っといてください』(太田出版) W刊行記念 - 08/30 Sat コナリミサト×武田真治×中田クルミ
「スナックバブル in B&B」
『凪のお暇』(秋田書店)完結・12巻刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念 - 09/01 Mon 佐藤誠二朗×ATSUSHI(ニューロティカ)
「八王子~中央線~井の頭線~下北沢 僕らのパンクとインディーズ」
『いつも心にパンクを。Don’t trust under 50』(集英社)刊行記念 - 09/04 Thu 島村恭則×黒川晝車×諸星めぐる
「今日からできる! 『みんなの民俗学』実践講座(入門編)」
『Hukyu』発刊記念 - 09/07 Sun 荻上チキ×栗原俊雄×辻田真佐憲
「私たちはなぜ暴力を生んでしまったのか?」
『大日本いじめ帝国』(中央公論新社)
『「あの戦争」は何だったのか』(講談社)
W刊行記念 - 09/12 Fri 植本一子×西村佳哲
「わたしたちの安心安全な場所をつくる」
『ここは安心安全な場所』刊行記念 - 09/13 Sat 中村拓哉×磯部涼
「日本語ラップと日本社会—右傾化・ストリート・ネオリベラリズム」
『日本語ラップ 繰り返し首を縦に振ること』(書肆侃侃房)刊行記念 - 09/14 Sun 鶴見済×鴻上尚史
「みんな同じでなくていい――日本社会の生き苦しさ」
『人間関係を半分降りる 増補版』(ちくま文庫)刊行 - 09/22 Mon とあるアラ子×はらだ有彩×山本美希
「「普通」を拡張する 〜描くことがひらく世界」
『多様で複雑な世界を、いまどう描くか』(BNN)刊行記念