この世の中には、男女の「壁」、年齢の「壁」、会社の上司/部下の「壁」、経済格差の「壁」、法律の「壁」、階級の「壁」がある。目を転じれば経済格差を克服しようと越境を試みる移民にとっての国境という「壁」がある。宗教対立や民族対立が激しい場所では宗教や民族の違いが「壁」になる。
それらの「壁」は、教育やメディアなどによる「刷り込み」によって人間の心に相似形をつくる。厄介なのはそうした無意識の「壁」だ。私たちはその「壁」を自覚できない。社会的に優位な者は、それらの「壁」を見ることができない。劣勢にある者だけに「壁」は見える。社会的な周縁におかれている者だけに、その「壁」は目に見えるのだ――
「壁」「ボーダー」、それを越えていくということについて、いまこそ必要なお話を、映画をとおして自由にお話いただきます。
越川芳明(こしかわ・よしあき)
アメリカ文学研究者、翻訳家、映画評論家。
1952年千葉県銚子市出身。東京学芸大学教育学部卒業。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科中退。明治大学教授。主な著書には『アメリカの彼方へ』(自由国民社1994年)『トウガラシのちいさな旅』(白水社2006年)『ギターを抱いた渡り鳥』(思潮社2007年)([共編]柴田元幸、沼野充義、野崎歓、野谷文昭『世界×現在×文学作家ファイル』(国書刊行会1996年)等がある。訳書は多数。
品川亮(しながわ・りょう)
元「スタジオ・ボイス」編集長、SPLEEN FILMS主宰。
主な映像作品は、『H・P・ラヴクラフトのダニッチ・ホラー その他の物語』(東映アニメ)、『SECTION 1-2-3』(アサヒ・アート・フェスティバル2007)ほか。共著に『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)がある。
『壁の向こうの天使たち―ボーダー映画論』越川芳明著(彩流社)
¥1900+tax
主に興味があるのが「半=作家主義」映画というか「半=映画主義」の映画。映画のプロではない人が監督になったり、脚本を担当して面白い映画を作ってしまったというレアなケースのものだ。「半端な」という意味の「半」でも、出来上がりはシビれるくらいに素晴らしく、「半端」どころではないのだ。通常、映画通からは「一発屋」として無視されたりするが、こういう幻の「私生児」に強く惹かれる。映画の専門家にはバカにされること大であるが、その実、世界を、現代社会を知るには、大きな可能性を秘めているのが「ボーダー」映画かもしれない。
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2014/04/05 Sat -
越川芳明×品川亮 「「ボーダー映画」の登場人物たちは必ず、「壁」の向こうの天使の囁きを聞く!」『壁の向こうの天使たち―ボーダー映画論』(彩流社)刊行記念
- 05/09 Fri 惣田紗希×신인아 |シン・イナ×kai
「VOICE UPのデザイン、韓国社会の表現と関わり方 」
『韓国グラフィックデザイナーの仕事と環境』(グラフィック社)刊行記念 - 05/10 Sat 青木淳悟×町屋良平
「翻案の可能性をめぐって」
『憧れの世界――翻案小説を書く』(代わりに読む人)刊行記念 - 05/11 Sun 成川彩×四角真理子「私たちが知っている韓国について」『今さら聞けない 現代韓国の超基本』(朝日新聞出版)『折りたたむだけですぐおいしい!らくちん四角キンパ』(自由国民社)W刊行記念
- 05/12 Mon 柳瀬博一×中山淳雄
「日本のキャラクターはなぜ世界から愛されるのか? 」
『アンパンマンと日本人』(新潮社)『キャラクター大国ニッポン』(中央公論新社)W刊行記念 - 05/14 Wed 谷頭和希×大木奈ハル子×岡本拓
「超具体!書くことで食べていくと決めた人のためのライターサバイバル講座」
『ニセコ化するニッポン』(KADOKAWA)刊行記念 - 05/15 Thu 上坂あゆ美×木下龍也
「あなたの“友達”はどこから? 」
『友達じゃないかもしれない』(中央公論新社)刊行記念 - 05/16 Fri ひらいめぐみ×三好愛
「ひらめちゃんとみよしちゃん」
『ひらめちゃん』(百万年書房)刊行記念 - 05/18 Sun フィクショネス 文学の教室
『金閣寺』『美しい星』を
3ヶ月かけてじっくりと読む - 05/18 Sun ひうらさとる×小川奈緒
「50代からの軽やかな”旅”と”伝え方”」
『58歳、旅の湯かげん いいかげん』
『伝え上手になりたい』(扶桑社)W刊行記念 - 05/19 Mon 永谷亜矢子×嶋浩一郎
「なぜあの観光地は選ばれるのか? 」
『観光"未"立国』(扶桑社)刊行記念 - 05/20 Tue 鈴木成一×大島依提亜×大久保明子
「“良い装丁”ってなんだろう?」
『【全5回】本屋B&B 超実践 装丁の学校 ファイナル』開校記念 - 05/21 Wed 浜島直子×一田憲子
「感情を言葉にすること」
『キドアイラク譚』
『もっと早く言ってよ。』(扶桑社)W刊行記念 - 05/23 Fri 大塚ひかり×春画ール
「歴史から悪意の本質を考える 」
『悪意の日本史』(祥伝社)刊行記念 - 05/24 Sat 森本淳生×鈴木亘×藤山直樹
「人文学から見る落語/落語から見る人文学」
『落語と学問する』(水声社)刊行記念 - 05/25 Sun アキラ・ザ・ハスラー×小沼理
「ぼくたち、今日は明るい話をしよう。」
『売男日記』(loneliness books)復刊記念 - 05/28 Wed 奇妙礼太郎×伊藤亜和『オールウェイズ』(ZINE)『わたしの言ってること、わかりますか。』(光文社)W刊行記念
- 05/29 Thu 中本千晶×早花まこ
「読む“タカラヅカ”の魅力」
『相克のタカラヅカ』(春風社)刊行記念 - 05/30 Fri 堀井美香×今井雄紀×嶋浩一郎
「ラジオの先輩に聞いてみよう! ラジオの魅力と聞く力」 - 05/31 Sat 白石正明×牟田都子
「ケアと校正」
『ケアと編集』(岩波書店)刊行記念 - 06/01 Sun 濱中淳子×伊藤賀一
『大学でどう学ぶか』
『もっと学びたい!と大人になって思ったら』
(筑摩書房)W刊行記念 - 06/02 Mon 秋吉健太×中村貞裕
「“編集力とミーハー力” 。“好き”を仕事にする技術——編集者と経営者、それぞれの視点から」
『原点回帰 山田孝之、新しいコミュニティをつくる』(blueprint)刊行記念 - 06/03 Tue 穂村弘×脇田あすか×木村亮×筒井菜央
「『コトアム』と短歌アンソロジーから広がる”編む”を”読む”楽しさ」
ことばの投稿・閲覧SNSアプリ『コトアム』リリース記念 - 06/04 Wed 矢野利裕×町屋良平
「小説の死後に文学を再設定する」
『「国語」と出会いなおす』(フィルムアート社)刊行記念 - 06/07 Sat 中村佑子×石田月美
「わたしが、わたしのからだを孤独にしないために」連動企画
『なぜこの世界で子どもを持つのか 希望の行方』(集英社)連載スタート記念対談 - 06/08 Sun 藤見よいこ×小宮りさ麻吏奈「間(あわい)に立つひと」『半分姉弟』『線場のひと』(リイド社)W刊行記念
- 06/13 Fri 横道誠×菊池真理子×二村ヒトシ×松本俊彦
「みんなおいでよ、依存症の豊かな世界」 - 06/14 Sat 鴻上尚史×一色洋平×おーちようこ
「演劇のつくり方 〈もっと〉 教えます」
『舞台が幕を開けるまで』(大修館書店)刊行記念 - 06/18 Wed 小笠原鳥類×広瀬大志×黒崎晴臣
「おお、限りなく現代の詩人たち」
『おお、限りなく懐かしい動物たち』(ライトバース出版)刊行記念