劇作家・演出家・俳優の長塚圭史が2011年に立ち上げたソロ・プロジェクト「葛河思潮社」。その旗揚げ公演となった『浮標(ぶい)』がこの夏に再々演され、横浜・豊橋・兵庫・三重・北九州・佐賀・東京を巡ります。
『浮標』とは、戦中〜戦後に活躍した昭和の劇作家・三好十郎による傑作長編戯曲です。これは三好十郎の実体験がベースになっているドキュメンタリー作品で、結核という不治の病に罹った妻を夫が命がけで看病するという「愛の物語」でありながら、科学や宗教、芸術や経済にしがみつきながら救いの道を模索するという壮絶な「生と死の物語」でもあります。
2011年の初演は大好評の内に幕を閉じ、すぐに2012年の再演が決定。そしてこの度、ファンからの熱い要望と長塚さんの思いが重なり、3度目の上演が決まりました。
そこで葛河思潮社では、この再々演に先立ち、“予習プロジェクト”と銘打って『浮標』の世界をより深く理解するためのビフォー・トークを開催いたします。
ゲストには、現代演劇に精通し、『浮標』再演時のパンフレットにも解説文を寄稿してくれた早稲田大学文化構想学部の水谷八也教授をお招きし、観る者の死生観を激しく揺さぶる『浮標』の魅力について、じっくりと語り合っていきたいと思います。
【出演者プロフィール】
水谷八也(みずたに・はちや)
早稲田大学文化構想学部教授(文芸・ジャーナリズム論系)。英米演劇の研究を専門とし、ソーントン・ワイルダーの『わが町』『危機一髪』『結婚仲介人』、アリエル・ドルフマンの『谷間の女たち』『世界で最も乾いた土地』『The Other Side/線のむこう側』、アーサー・ミラーの『るつぼ』などを翻訳。論文に「Thornton Wilderと”Nascuntur Poetae…”における詩人の肖像」「劇作家Thornton Wilder──形式としてのヴォードヴィル」など。
伊藤達哉(いとう・たつや)
演劇プロデューサー。早稲田大学在学中に演劇活動を開始し、2000年より演劇プロデュースユニット「阿佐ヶ谷スパイダース」制作代表を務める。その後、2004年に「阿佐ヶ谷スパイダース」を法人化し、有限会社ゴーチ・ブラザーズを設立、代表を務める。最近の主なプロデュース作品に、『「黒子のバスケ」THE ENCOUNTER』、テアトル・ド・アナール『従軍中のウィトゲンシュタインが(略)』、『ツインズ』、『背信』、『冒した者』、『浮標』など。
※イベントチケットの予約・購入に関するご案内はこちら。
2016/07/04 Mon -
水谷八也×葛河思潮社
「死と向き合い、生の実感を取り戻すための演劇ビフォー・トーク」
三好十郎・作/ 長塚圭史・演出
葛河思潮社第五回公演『浮標(ぶい)』上演記念
- 10/10 Thu しずる村上純×グランジ五明拓弥×銀シャリ橋本直×山井祥子(エレガント人生)×あわよくばファビアン×ピストジャム
「第一芸人文芸部 俺の推し本。」
第六回公開収録 - 10/11 Fri 松本哉×毛利嘉孝×ブレイディみかこ
「マヌケな世界は可能だ」
『世界マヌケ反乱の手引書 増補版』『ストリートの思想 増補新版』(筑摩書房)W刊行記念 - 10/12 Sat 稲垣貴彦×コーラ小林
「日本発、世界に挑むクラフトウイスキーとクラフトコーラ」
『ジャパニーズウイスキー入門 現場から見た熱狂の舞台裏』(KADOKAWA)刊行記念 - 10/13 Sun オーシュラ・カジリューナイテ×クリスティナ・ドンブロフスカ×滝口悠生×永方佑樹
「ポーランド、リトアニア、アイオワ、京都、東京」
京都文学レジデンシー&ヨーロッパ文芸フェスティバル連動企画 - 10/15 Tue 中村隆之×新田啓子×隠岐さや香
「鎖は(本当に)解けたのか?」
『黒人法典』(明石書店)刊行記念 - 10/16 Wed Helsinki Lambda Club×マスダレンゾ
「TEN」
『TEN YEARS AND (STILL) RUNNING』(UK.PROJECT/Hamsterdam Records)刊行記念 - 10/17 Thu 想田和弘×坂手洋二
「映画と演劇とフォトエッセイ
猫のように自由な表現とは
映画監督と劇作家が語る表現の方法」
『猫様』(発行:ホーム社/発売:集英社)刊行記念 - 10/18 Fri 石黒圭×飯間浩明
「“言語のプロフェッショナル”も知らない日本語とは?」
『言語学者も知らない謎な日本語』(教育評論社)刊行記念 - 10/19 Sat 三輪清子×橋本宗樹
「ともにくらす、さとおやこ」
『もしかして となりの親子は里親子⁉』(理工図書)をもとに
「365日のさとおやこ」連動企画 - 10/19 Sat 勅使川原真衣×三宅香帆
「わたしたちが選び・選ばれるときに、本を読むことの意味について」
『働くということ 「能力主義」を超えて』(集英社)刊行記念 - 10/23 Wed 奥浜レイラ×児玉美月×清田隆之
「私たちがもっと自由に生きるために」
映画『ジョイランド わたしの願い』公開記念 - 10/24 Thu 西尾美也×青田麻未
「日常から哲学すること、つくりだすこと」
『装いは内破する』(左右社)
『「ふつうの暮らし」を美学する』(光文社)刊行記念 - 10/30 Wed 阿部幸大×柴田元幸
「柴田ゼミから学術論文へ──読む、訳す、論じる」
『まったく新しいアカデミック・ライティングの教科書』(光文社)『英日バイリンガル 現代ゴシック小説の書き方』(研究社)W刊行記念 - 10/31 Thu 【ぼる塾】酒寄希望×田辺智加
「『田辺の和室』出張トーク」
『酒寄さんのぼる塾晴天!』(発行:ヨシモトブックス/発売:ワニブックス)刊行記念 - 11/13 Wed キニマンス塚本ニキ×ラブリーサマーちゃん
「世界をちょっとよくする? <ニキ・サマ>トークセッション」
『世界をちょっとよくするために知っておきたい英語100』(学研)刊行記念 - 11/16 Sat 永井玲衣×惠愛由×井上花月
「記憶と記録がもたらすケア」by Candlelight - 11/18 Mon 青木彬× 白石正明
「無くなった右足から考えたケアとアートのこと」
『幻肢痛日記』(河出書房新社)刊行記念 - 11/21 Thu 吉川公ニ×森真紀×住谷知厚
「伝える広報から伝わる広報へ 広報の心とは何か。」
『広報の心』(理工図書)刊行記念 - 11/22 Fri チョ・イェウン×三宅香帆
「新感覚ホラー小説を通じて見る、日韓の文学現在地」
『カクテル、ラブ、ゾンビ』(かんき出版)刊行記念 - 11/23 Sat 一穂ミチ×高瀬隼子
「これからの恋愛のかたち」
『恋とか愛とかやさしさなら』(小学館)
『新しい恋愛』(講談社)W刊行記念