西洋出身者として初の日本語作家・リービ英雄が、半世紀ぶりに少年時代のひとときを過ごした台湾・台中を訪れる。この2度とない旅に、詩人の管啓次郎と作家の温又柔、映像作家の大川景子が同行し、ドキュメンタリー作品『異境の中の故郷 リービ英雄 52年ぶりの台中再訪』が完成した。
2013年12月に完成した「異境の中の故郷」はこの1年、16カ所で上映会と座談会をし人々と会話を重ねながら各地を旅しました。
そして9ヶ月ぶりのB&Bでの2回目の上映会。
今回は大川景子が多くの影響を受けた諏訪敦彦監督をお迎えし「ある場所での記憶と其処にあった感情」をテーマに、この作品について、各々の創作についてのお話を伺います。映画の重要なキーパーソンである小説家・温又柔が進行役を務めます。
温又柔はリービ英雄と出会い触発され、いまに至る表現方法で小説を書き始めた。大川景子が現在の創作スタイルを見つける過程で大きな影響を与えたのは諏訪敦彦監督作品との出会いだった。そして諏訪監督はリービ英雄がかつて出演したドキュメンタリー「安部公房が探しあてた時代」のディレクターだった。この作品とリービ英雄にまつわる不思議な偶然がつなげた3人の初顔合わせです。
第一部:映画上映(約53分)
第二部:諏訪敦彦×大川景子×温又柔によるトーク
諏訪敦彦(すわ・のぶひろ)
映画監督。東京造形大学卒業後、助監督やテレビドキュメンタリーの演出を経て、97年に長編劇映画『2/デュオ』を監督。99年『M/OTHER』(カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞)。01年『H/Story』(カンヌ国際映画祭正式招待)。05年『不完全なふたり』(ロカルノ国際映画祭審査員特別賞、国際芸術映画評論連盟賞受賞)を発表。09年「ユキとニナ』をカンヌ国際映画祭監督週間にて発表。即興演出で知られる。東京藝術大学大学院映像研究科教授。
大川景子(おおかわ・けいこ)
映像作家。1978年生まれ。東京芸術大学大学院映像研究科卒業。
諏訪敦彦監督『ユキとニナ』編集アシスタント。その後、諏訪敦彦監督編『黒髪』、筒井武文監督『バッハの肖像 – ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2009より』編集 、杉田協士監督『ひとつの歌』助監督・編集。自身の作品としては、行商のおばあさんを駅で待ちぶせし追っかけた超短編インタビュー『行商 藤巻よしえさん』や茨城県の化学工場で働くインドネシア人研修生たちの日常生活を追ったドキュメンタリー『高浪アパート』(2006)がある。
温又柔(おん・ゆうじゅう)
小説家。1980年台湾・台北市生まれ。両親は共に台湾人。3歳のときに来日。09年、「 好去好来歌」で第33回すばる文学賞佳作受賞。デビュー以来、日本育ちの台湾人という立場を自覚しながら、自分自身にとってのニホンゴとは何かを模索・表現する。著書に『来福の家』(集英社)。小説やエッセーを執筆する他に、朗読をとおして、中国語、台湾語を織り込んだ自身のテキストを表現する活動にも意欲的。白水社Webサイトにて、自身の来歴を軸としたコトバを巡るエッセイ「失われた〈母国語〉を求めて」連載中。
http://www.hakusuisha.co.jp/essay/bokokugo.html
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2014/11/09 Sun -
諏訪敦彦×大川景子×温又柔 「ある場所での記憶と其処にあった感情を巡って」『異境の中の故郷 ―リービ英雄 52年ぶりの台中再訪―』 上映&トーク
- 07/19 Sat 滝口悠生×佐々木敦
「ことばの即興力
ーーいかに書き進めていくか?」
『「書くこと」の哲学 ことばの再履修』
(講談社)刊行&重版記念 - 07/20 Sun フィクショネス 文学の教室
『怪談』を3ヶ月かけてじっくりと読む - 07/21 Mon 沢山遼×山本浩貴×岩渕貞哉
「岡﨑乾二郎、そしてモダニズムをいま、考える」
『美術手帖 2025年7月号 特集「岡﨑乾二郎」』(美術出版社)刊行記念 - 07/22 Tue 周司あきら×杉田俊介
「語られにくいミサンドリー(男性嫌悪)から『男』の話をしよう」
『ラディカル・マスキュリズム』(大月書店)
『男性学入門』(光文社)W刊行記念 - 07/23 Wed 椎名基樹×せきしろ
「バカサイトークライブ」 - 07/24 Thu 米澤渉×ひろのぶと株式会社
「踊る阿呆たちの本づくり」
『踊る阿呆の世界戦略』(ひろのぶと株式会社)
刊行記念 - 07/26 Sat 水上文×清水晶子
「ここにも、そこにも、どこにでも:日本語圏と英語圏のクィアポリティクスを辿って」
『クィアのカナダ旅行記』(柏書房)刊行記念 - 07/27 Sun 太田充胤×山本ジャスティン伊等×山本浩貴
「こんなにも踊りたい、私たちの魂について」
『踊るのは新しい体』(フィルムアート社)刊行記念 - 07/28 Mon 金原ひとみ×朝吹真理子×山中瑶子
「韓国と出会って考えたこと」
新文芸誌『GOAT meets』(小学館)刊行記念 - 07/29 Tue 枝優花×平井珠生
「ラジオでしゃべるって、こんなにむずかしくて、たのしい。」 - 07/30 Wed 梶原阿貴×高橋伴明
「家族とジェンダーと革命」
『爆弾犯の娘』(ブックマン社)
刊行記念 - 07/31 Thu 奥田知志×永井玲衣
「わたしたちの社会はさみしいのか?」
『わたしがいる あなたがいる なんとかなる 「希望のまち」のつくりかた』(西日本新聞社)刊行記念 - 08/03 Sun 今野晴貴×内田良 「残業代、請求できます!部活、なくなります!激変する学校教育の今」『教育現場における「定額働かせ放題」の終焉』(堀之内出版)刊行記念
- 08/04 Mon 古賀及子×菊地朱雅子×北野太一×油利可奈
「生活を(書き)続けるために」
『巣鴨のお寿司屋で、帰れと言われたことがある』(幻冬舎)
『おかわりは急に嫌 私と『富士日記』』(素粒社)
『よくわからないまま輝き続ける世界と 気がつくための日記集』(大和書房)刊行記念 - 08/06 Wed 金子玲介×長井短
「同時代を生きる、書き手たち」
『流星と吐き気』(講談社)刊行記念 - 08/07 Thu 旦木瑞穂×古田雄介
「親の介護 する? しない?」
『しなくていい介護』(朝日新聞出版)刊行記念 - 08/09 Sat 桜林直子×植本一子
「少しだけ、違う視点を手に入れる」
『つまり“生きづらい”ってなんなのさ?』(光文社)
『ここは安心安全な場所』W刊行記念 - 08/10 Sun 高田漣×いとうせいこう
「サンプリングする小説、オルタナティブな文学」
『街の彼方の空遠く』(河出書房新社)刊行記念 - 08/11 Mon 豊﨑由美×宇野和美
第94回「読んでいいとも! ガイブンの輪」 - 08/13 Wed 小島雄一郎×吉田将英
「拗らせたおじさん二人が考える『選べない』時代の生き方」
『「選べない」はなぜ起こる?』(サンマーク出版)刊行記念 - 08/18 Mon 青山美智子×新井見枝香
「スイート&ビター。だから人生は美味」
『チョコレート・ピース』(マガジンハウス)刊行記念 - 08/28 Thu フウ×稲垣えみ子
「とりあえず行って住んでみた 〜ヨルダンとフランスで生活体験」
『ヨルダンの本屋に住んでみた』(産業編集センター)刊行記念 - 08/30 Sat コナリミサト×武田真治
「スナックバブル in B&B」
『凪のお暇』(秋田書店)完結・12巻刊行記念 - 08/31 Sun 小川公代×中村隆之
「この世界を生きるための物語と音楽」
『ケアの物語 フランケンシュタインからはじめる』
『ブラック・カルチャー』(岩波書店)刊行記念