若い世代が中心となって企画された『吉田健一ふたたび』(冨山房インターナショナル)が発売され、二週間で重版するなど話題を呼んでいます。吉田健一は、大久保利通の曾孫、牧野伸顕の孫、吉田茂の長男であり、批評、小説、随筆、翻訳など、幅広い文筆活動を展開し、一九七七年に亡くなりました。
しかし、その後も定期的に文庫などが復刊され、いまなお熱心な読者が存在する文筆家です。吉田健一に影響を受けた、現役の人気作家や文化人も数多くいます。そんな吉田健一を、さらに若い世代につないでいこうと企画されたのが『吉田健一ふたたび』です。
ただ単に過去の文筆家を再評価するだけではなく、「文学は楽しむものだ」という自身の文学観に確信を持ち、時代に流されずに融通無碍な文筆活動を展開した吉田健一を読みつないでいくとはどういうことなのか、新しい時代になぜ吉田的な佇まいが必要になるのか。そんな想いが詰まった一冊になっています。
そして今回のイベントでは、『吉田健一ふたたび』に小説『東京の昔』についての論考を書かれた柴崎友香さん、編著者で文芸評論家の川本直さん、同じく編著者で映画監督・文筆家の樫原辰郎さん、初期随筆についての評論と紀行文を寄稿したライターの宮崎智之さんをお招きし、吉田健一について語りつくしてもらいます。吉田健一ファンはもちろんのこと、はじめて吉田健一に触れる方にもわかりやすく、楽しく入門できるイベントになります。
新元号の時代が幕開けする直前、ぜひ「シン・吉田健一」をご堪能ください!
【出演者プロフィール】
柴崎友香(しばさき・ともか)
一九七三年生まれ。小説家。一九九九年、「レッド、イエロー、オレンジ、オレンジ、ブルー」でデビュー。二〇一四年、『春の庭』(文藝春秋)で芥川龍之介賞受賞。『きょうのできごと』(河出書房新社、二〇〇〇)、『その街の今は』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞、新潮社、二〇〇六)、『寝ても覚めても』(野間文芸新人賞受賞、河出書房新社、二〇一〇)など著書多数。二〇〇四年に『きょうのできごと』は行定勲監督により映画化、二〇一八年には『寝ても覚めても』が濱口竜介監督により映画化された。
川本直(かわもと・なお)
一九八〇年生まれ。文芸評論家。二〇一一年、『新潮』にて「ゴア・ヴィダル会見記」でデビュー。以降、『新潮』、『文學界』、『文藝』などに寄稿。著書に『「男の娘」たち』(河出書房新社、二〇一四)。現在、フィルムアート社のWebマガジン「かみのたね」で『日記百景』連載中。
樫原辰郎(かしはら・たつろう)
一九六四大阪生まれ。映画監督・脚本家・文筆家。大阪芸大在学中に海洋堂に関わり、完成見本の組立や宣伝などを手がけた後、脚本家から映画監督に。監督作に『美女濡れ酒場』(二〇〇二)、脚本作に『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説』(二〇〇九)など。近年は文筆業が多く、著作に『海洋堂創世記』(白水社、二〇一四)、『「痴人の愛」を歩く』(白水社、二〇一六)、『帝都公園物語』(幻戯書房、二〇一七)がある。
宮崎智之(みやざき・ともゆき)
一九八二年生まれ。東京都出身。フリーライター。地域記者、編集プロダクションなどを経て、フリーライターに。カルチャー、時事問題についてのコラムのほか、日常生活の違和感を綴ったエッセイを、雑誌、Webメディアなどに寄稿している。TBSラジオ「文化系トークラジオLife」などにレギュラー出演。著書に『モヤモヤするあの人 常識と非常識のあいだ』(幻冬舎文庫、二〇一八)など。
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2019/04/26 Fri -
柴崎友香×川本直×樫原辰郎×宮崎智之
「シン・吉田健一~新しい時代に読む最後の文士」
『吉田健一ふたたび』(冨山房インターナショナル)刊行記念
出版社冨山房インターナショナル
開催日時 20:00~22:00 (19:30開場)
開催場所 本屋B&B
東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
入場料 ■前売1,500yen + 1 drink order
■当日店頭2,000yen + 1 drink order
- 10/03 Tue 橋口幸生×田中泰延
「健康に良い言葉、悪い言葉とは?」
『言葉ダイエット』(宣伝会議)5刷記念 - 10/05 Thu 信田さよ子×武田砂鉄
「なかったことにするもんか会議」
『家族と厄災』(生きのびるブックス)
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「“ゾワワ”の神様の正体を藤井さんと考える」
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「コロナ禍は誰を直撃したのか?
──女性・ケアワーカー・非正規労働者」
『生きのびるための社会保障入門』(堀之内出版)
『女性不況サバイバル』(岩波書店)W刊行記念 - 10/08 Sun 大塚篤司×幡野広志
「医師と患者の新しい関係」
『皮膚科医の病気をめぐる冒険』(新興医学出版社)刊行記念 - 10/09 Mon 川上康則×風間暁
「「生きたい、行きたい」と思える学校にするために」
『不適切な関わりを予防する 教室「安全基地」化計画』
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「新しいムーブメントは、リバイバルとともに生まれる」
『ポップミュージックはリバイバルをくりかえす』(イースト・プレス)刊行記念 - 10/12 Thu 川野芽生×高田怜央
「文学はつねにすでに翻訳である」
『奇病庭園』(文藝春秋)
『SAPERE ROMANTIKA』(paper company)W刊行記念 - 10/13 Fri 村井理子×酒井順子
「母には振り回されてきたけれど~娘から見た昭和を生きた母親たち」
『実母と義母』(集英社)刊行記念 - 10/14 Sat 岡本仁×オオヤミノル×堀部篤史
「コーヒーブレイクのディスクール」
『ぼくのコーヒー地図』(平凡社)刊行記念 - 10/14 Sat 御代田太一×村上靖彦
「救護施設からのぞく社会」
『よるべない100人のそばに居る。』(河出書房新社)刊行記念 - 10/15 Sun 博報堂生活総合研究所×谷川嘉浩×原カントくん
「“消齢化”社会ってなんだ!?年齢に関係なく価値観でつながる時代を生きる」
『消齢化社会 年齢による違いが消えていく! 生き方、社会、ビジネスの未来予測』(集英社インターナショナル)
刊行記念 - 10/17 Tue 村上由鶴×長島有里枝
「日常の違和感から始まる」
『アートとフェミニズムは誰のもの?』(光文社)刊行記念 - 10/18 Wed 鈴木俊貴×水野太貴
「動物言語学とは何か?」
『動物たちは何をしゃべっているのか?』(集英社)刊行記念 - 10/20 Fri 高木瑞穂×大泉りか
「異なる視点であぶりだす、“立ちんぼ”と“ホス狂い”の深い闇」
『ルポ 新宿歌舞伎町 路上売春』(鉄人社)刊行記念 - 10/21 Sat 横道誠×頭木弘樹
「マコトクアドラプルの2DAYS〜旅・民話・地域編〜」
『グリム兄弟とその学問的後継者たち―神話に魂を奪われて』(ミネルヴァ書房)
『解離と嗜癖──孤独な文学研究者の日本紀行』(教育評論社)刊行記念 - 10/22 Sun 横道誠×小川公代
「マコトクアドラプルの2DAYS〜当事者・ケア・世界文学編〜」
『発達障害の子の勉強・学校・心のケア――当事者の私がいま伝えたいこと』(大和書房)
『村上春樹研究──サンプリング、翻訳、アダプテーション、批評、研究の世界文学』(文学通信)
『世界文学をケアで読み解く』(朝日新聞出版)刊行記念 - 10/26 Thu 渡名喜庸哲×西谷修
「フーコー、ドゥルーズ、デリダ以後を読む——変容する『いま』を哲学するということ」
『現代フランス哲学』(筑摩書房)刊行記念 - 10/28 Sat 和田靜香×小泉今日子
「これから、ひとりでどう暮らそう?」
『50代で一足遅れてフェミニズムを知った私がひとりで安心して暮らしていくために考えた身近な政治のこと』(左右社)刊行記念 - 10/31 Tue スケザネ×山下紘加
「本の扉をあけて 山下紘加と語る読書の喜び」
『煩悩』(河出書房新社)刊行記念 - 11/01 Wed 羽生有希×中村香住×深海菊絵×松浦優
「フツーの恋愛、性愛ってなに?」
『ACE アセクシュアルから見たセックスと社会のこと』(左右社)刊行記念 - 11/02 Thu 藤井翔太×宮崎智之×吉川浩満
「なぜあなたはすでに哲学者なのか」
『アメリカ哲学入門』(勁草書房)刊行記念 - 11/19 Sun 伊藤桃×がみ
「てっけん!第4回」 - 11/29 Wed 加藤優一×御手洗龍×山道拓人×飯石藍
「銭湯と建築がひらく、都市の公共性」
『銭湯から広げるまちづくり
小杉湯に学ぶ場と人のつなぎ方』(学芸出版社)刊行記念