《1950年にフェリスベルト・エルナンデスを読んでいなかったら、私は今日のような作家にはなっていないだろう》とガルシア・マルケスに言わしめたウルグアイの作家、フェリスベルト・エルナンデスをご存知でしょうか。今年6月に『案内係』(浜田和範訳、水声社)として作品集が翻訳されたことにより、日本ではじめて本格的に紹介されることになりました。
親密で謎めいた独自の世界をどこまでも追い求めるその作風は、ともすれば読者を戸惑わせる捉えどころのないもの。しかし一方でこの「誰とも似ていない作家」(イタロ・カルヴィーノ)が、数々の作家を魅了し、熱狂的なファンを獲得してきたのも確かです。
今回のイベントでは、本書の訳者・浜田和範氏と、翻訳の刊行される前からwebマガジン『考える人』でフェリスベトを紹介していた柴田元幸氏をお迎えして、本作の魅力を存分に語っていただきます。
この作家が大好きな方はもちろん、読みあぐねている方にとっては絶好の機会となる本イベントに、ぜひ足をお運び下さい。
【出演者プロフィール】
浜田和範(はまだ・かずのり)
1980年、東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。現在、慶應義塾大学ほか非常勤講師。専攻、現代ラテンアメリカ文学。主な著書には、『抵抗と亡命のスペイン語作家たち』(共著、洛北出版、2013年)などがある。
柴田元幸(しばた・もとゆき)
1954年、東京都生まれ。米文学者・東京大学名誉教授。翻訳家。『生半可な學者』(白水社、1992年)で講談社エッセイ賞受賞。『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会、2005年)でサントリー学芸賞受賞。トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』で日本翻訳文化賞受賞。翻訳の業績により早稲田大学坪内逍遙大賞受賞。アメリカ現代作家を精力的に翻訳するほか、著書も多数。文芸誌「MONKEY」の責任編集を務める。
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